品目紹介

くわい

出荷時期:12月

くわいは、レンコンと同様に生育期間を通して水が必要であり、水の便が良く、土質が腐植に富んだ耕土で、肥沃な粘質土壌の深い湿田が、栽培に適しているとされている。

くわいの品種には、在来種で塊茎の色沢の青い「青くわい」と、白みをおびた「白くわい」がある。現在、金沢市内の御所地区で栽培されている加賀野菜“くわい”の品種は、在来種の青くわいである。塊茎は扁球形で外皮は青色を呈し、やや腰高である。
植え付け時期は6月中旬から6月下旬で、条間90cm、株間35cm(3200株/10a)に植え付ける。収穫は11月下旬から12月下旬である。

くわいは煮食用に供されるもので、需要は多くないが、古くから「芽が出る」ということでお祝い料理に使用される。特に、正月のおせち料理の食材として珍重されている。

歴史と現状

栽培の始まりは、レンコンと同様、藩政時代に5代藩主前田綱紀が産業の興隆を志し、農事の奨励に力を入れ、くわいの栽培を始めたものと伝えられている。

初めは、くわいのほろ苦いような苦みの味がわからず、一般には需要がなかったが、大正時代から市民の嗜好にあうようになり、栽培も増えてきた。当時は、河北郡字小坂、御所を中心に、三谷村字月浦、岩出、河原市(以上は現在の金沢市)、花園村字浅谷(現:津幡町一帯)で栽培され、大正4年には15ha栽培されていたが、現在では小坂・御所地区だけとなった。

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