品目紹介
春菊は、関西地区、九州地区をはじめ、全国的に栽培されている。
葉の切れ込み程度で、大葉、中葉、小葉に大別される。大型で葉の切れ込みの浅い大葉系は生育が早く、収量も多いが、耐暑性や耐寒性が低い。中葉系は大葉系に比べ葉が小さく、切れ込みも深く、分枝性、生育、収量とも優れており、節間の伸びも良い。
加賀野菜“金沢春菊”は、別名ツマジロとも呼ばれ、大葉種に分類され、中葉種には無いクセのない独特の香りとやわらかさ、おいしさがあり、利用範囲も広い。
全国的な流通は、生育が旺盛で収量性の高い中葉種が主体で、一昔前は、春菊といえば大葉種を指していたが、耐病性が弱く栽培管理しにくいことから、近年は店頭で見かけることが少なくなった。
生育適温は15〜20度で冷涼な気候を好み、28度以上では生育不良となる。また、浅根性で乾燥に弱いため、有機質の保水性のある土壌が適する。
春菊は古くからヨーロッパで鑑賞用として栽培されていた。
日本へは室町時代以前に渡来したと言われるが、石川県への来歴は加賀藩5代藩主前田綱紀が産業の興隆を起こした1670年頃ではないかと言われている。耕稼春秋にも「ツマジロは2月の彼岸のうちに畑を起こし、土を細かくして種子をまく。どんどん生えだす頃から次々と間引いて市へ持っていって売る。残りは9月の初めまでおいて種子をとる。」と書かれていることからもうかがえる。
現在でも、金沢市三馬地区等で栽培が受け継がれており、露地での春作のトンネル栽培を中心に、一部ハウス栽培も行われている。
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