品目紹介
加賀野菜“金沢一本太ねぎ”は、その名のとおり、分けつせず、軟白部は太くて長く、肉質の柔らかい品種である。標準の大きさは、総重1kg弱、草丈110cm前後、軟白部の長さは25cm、茎2cm程度である。品種群では加賀群に属し、越冬性が強く、耐寒性及び耐病虫性とも強い。葉はやや濃緑色を呈し、生育はきわめて早い。
作型には、春まき秋どりと秋まき夏どりがある。
春まき秋どりは3月下旬〜4月上旬には種する。6月末に定植し、11月から3月まで収穫する。
秋まき夏どりは8〜9月には種する。4月に定植し、6月下旬から9月ぐらいまで収穫する。
特に、すき焼きや鍋物に甘く柔らかく、ぬめりがある金沢ねぎの味として広く親しまれてきた。
詳しい来歴は不明だが、「石川県園芸要鑑」(大正5年)によると金沢ねぎは別名「マツエタ葱」とも言われ、原種は長野県松本地方より導入したものとされている。金沢一本太ねぎは、金沢一本、金沢太ねぎ、または、金沢根深(ネブカ)太ねぎとも呼ばれ、北陸以北における寒地型の一本ねぎとして一世を風びした。
金沢一本太ねぎは、明治末期・大正・昭和30年代半ばまで金沢市有松、三馬、米丸、崎浦地区で精農家によって自家採種により金沢ねぎとして栽培されてきた。その後、昭和37年に金長ねぎが発表されるや金長ねぎ一色になったものの、昭和55年まで数戸の農家で栽培を続けてきた。
現在も、金沢市金城・富樫地区の農家によって栽培が継承されている。
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